鉄道の線路下で突然、地面が陥没する――。そんな事故を未然に防ぐサービスを、通信機器大手のOKI(沖電気工業)が人工衛星の観測データを活用して開発している。線路周辺に設置されたセンサーと組み合わせる世界初の試みだ。
災害前にインフラの異常の兆候を検知
OKIと聞いて、宇宙事業を思い浮かべる人は多くはないかもしれない。が、同社のEMS(電子機器の受託製造サービス)事業の中核子会社であるOKIサーキットテクノロジーは長らく、JAXA(宇宙航空研究開発機構)認定のプリント配線板を開発・製造し、ロケットや衛星向けに納品している。H3ロケットに使われる配線板の9割はOKI製だ。
ただ、新たな宇宙事業の”芽”は、EMSではなく、センサーを使って鉄道や道路などの社会インフラのモニタリング(異常検知・監視)を手がけるコンポーネントプロダクツ事業部で生まれた。衛星データ解析を手がけるエル・ティー・エスと昨夏から協業し、トルコ国鉄の鉄道沿線で災害リスク予測の検証を行ってきた。
そして2026年3月、この事業がJAXAの宇宙戦略基金補助事業に採択され、28年度の商用化に向けた取り組みを急いでいる。
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【事前検知・海外展開がポイント】
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