今後25年間で米国の自動車販売台数は4割減少する。ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターの生産台数はそれぞれ68%、58%の削減を迫られる──。昨年5月に英バークレイズ証券が発表したリポートには、こうした大胆な未来予測が載っている。
引き金を引くとみられているのは「ライドシェア(相乗り)」の台頭だ。ライドシェアとは、オンライン配車サービスに登録した一般のドライバーが自家用車を使い、タクシーの代わりになることをいう。
米国では2010年以降、Uber(ウーバー)テクノロジーズやリフトがオンライン配車サービスを提供している。こうしたサービスの利用者が増えれば、「車は一家に一台の時代が終わる。自分の好きなときに手頃な値段で車を呼ぶ習慣が定着する」(米シリコンバレーを拠点に活動するベンチャーキャピタル、スクラムベンチャーズの宮田拓弥氏)との見方が急速に広がっている。
すでに配車サービスで先駆のウーバーは世界450以上の都市で大規模にサービスを展開している。価格も安く、通常のタクシー乗車などと比べ、最大で6割安い(リフトの場合)。消費者の生活習慣が変われば、一家に一台という慣習の“ダム”はいつ決壊してもおかしくはない。
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