業界再編の引き金となった燃費問題。複雑な問題の本質は、いったいどこにあるのか。
Q1 燃費不正で何が行われたのか?
最初に発覚したのが三菱自動車の不正です。これはわかっている範囲で3種類に分けられます。まず、燃費自体の不正です。三菱製の軽自動車4車種(日産自動車へのOEMを含む)で走行抵抗値というデータを改ざんし、実際よりも燃費をよく見せるためにデータを不正に操作していたのです。
背景には、軽自動車の激しい燃費競争があります。当該車種は当初、ガソリン1リットル当たり26.4キロメートルの目標燃費を掲げていました。が、ライバル車の情報が入るたびに目標は上方修正され、結果的に5回で29.2キロメートルまで引き上げられました。
この不正の手段として使われたのが、空気抵抗やタイヤの転がり抵抗を含む走行抵抗値です。空気抵抗が大きいと燃費が悪くなるのは直感で理解できると思います。三菱はこの走行抵抗値を不正に操作し、燃費を改ざんしたのです。
三菱はほかにも1991年以降のほとんどの車種で、走行抵抗値の測定において法規に定められたものと異なる測定法を使用していました。具体的には、独自の高速惰行法という測定方法を使用したり、計測はせず机上計算で数値を求めていたりしました。この二つについては、今のところ実際の燃費には大きな影響はないようですが、不適切な行為であることは間違いありません。
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