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米国市場好況の終わり トランプ大統領で保護主義再燃へ

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人口が増える限り、世界の自動車市場は拡大する。そんな神話が揺らいでいる。

潮目が変わった世界市場

自動車成長神話の危機

共和党の大統領候補に指名が確実視されるドナルド・トランプ氏。日本車へ痛烈なバッシングを行う(ロイター/アフロ)

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米国の新車販売は、ここ数年回復を続けてきた。

リーマンショック後の2009年には年間1000万台を割り込む寸前まで落ち込んだが、14年には06年と同じレベルに回復、15年には景気回復も後押しして史上最多の1747万台に到達した。

だが今年に入って、潮目の変化が鮮明になってきた。1~5月の累計販売台数は、前年同期比で1.1%増にとどまった。新車販売は1600万台後半をキープしそうだが、失速感は否めない。

販売の内訳を見ても、楽観できない。

今、売れ行きが好調なのはピックアップトラックやミニバン、SUVといったライトトラック系にほぼ限定される。乗用車で、前年同月比で売り上げ増となったのは独アウディ、英ジャガー、独ポルシェなど一部高級ブランドのみで、あとは軒並み減少となった。トヨタ自動車でさえ、今年5月の乗用車販売台数は前年同月比マイナス16%と苦しむ。他方で、ライトトラック系のほとんどは売り上げ増を記録した。現在の売れ行き好調は、ライトトラックの販売増がもたらしたものだ。

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