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先頭走者が悩む「規模のその先」 [トヨタ]「1000万台」の副作用

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一見、慎重な豊田社長。実際は新規分野への投資に積極的(撮影:尾形文繁)

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「この三角形、四角形、六角形を300万台、400万台、600万台とする。規模拡大でどれだけ内部調整の線が増えるか、という意味に取っていただきたい」

5月11日の決算発表の席上、トヨタ自動車の豊田章男社長はスライドを示し説明を始めた。

「600万台のときに9本だった内部のやり取りが、1000万台=十角形になると35本になる。そのうち1本で変更が出ると、ほかの34本も全部変更になる。以前は、トヨタは機能の力が非常に強く、その強みを生かしながら成長してきた。だが、組織が拡大し調整が増える中、意思決定が遅くなってきたと実感している」

2015年度の純利益は2兆3126億円と3期連続で過去最高を更新した。そうした中、率直なまでの危機感を吐露した真意はどこにあるのか。円安から円高への転換で16年度は4割減益を予想する。「潮目が変わった」(豊田社長)という事業環境の変化が一因ではある。

だが、それは危機感の一部でしかない。13年、自動車業界で初めて総販売台数1000万台の大台に乗せたトヨタ。そのトヨタが今、戦っているのは「規模の弊害」だ。

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