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三菱で終わらず、提携の拡大を狙う 日産の交渉キーマンが語る三菱救済の真相

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日産自動車による三菱自動車出資は何を意味するか。電撃提携の深層と自動車再編の行方を展望する。

日産の交渉キーマンが語る三菱救済の真相

日産自動車と三菱自動車の電撃的な資本業務提携の発表。カルロス・ゴーン日産社長の右腕として交渉で中心的な役割を果たした西川廣人CCOが初めて口を開いた。

さいかわ・ひろと●1953年生まれ。77年日産入社。購買部門が長く、2005年副社長。13年から車づくりを統括するチーフコンペティティブオフィサー(CCO)。15年副会長。16年日本自動車工業会会長。(撮影:尾形文繁)

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──ゴーン社長の電光石火の経営判断について、実際のプロセスはどのようなものだったのか。

いろいろな報道を見ているとゴーンが全部バッと決めたというふうに単純に思われているが、それは違う。社長から案件が降ってきたわけではない。今回は私も含め少人数で議論をした結果で、私は当事者としてここで皆さんにお話ししたい。

提携の検討から発表まで確かに早かったが、二つの背景があった。

一つ目は少なくともトップ同士に、お付き合いをする中で信頼関係ができていたこと。日常的には私と三菱自動車の益子修会長が接点を持っていて、ゴーンも非常に協力的だった。多少難しい話も割合ストレートにできる間柄になっていた。 

二つ目は軽自動車以外でも協業の幅を広げようとトライしているところだったこと。メリットを享受できるのであれば、もう少し踏み込んだことをやってもいいのではないかと双方が思っていた。お互いに少しずつ手の内を見せていくことを考えると、「やはり資本提携が必要だね」とも、実は考えていた。

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