中国のEC(電子商取引)最大手、アリババグループ・ホールディングがニューヨーク証券取引所に上場したのは昨年9月19日。上場初日の終値はIPO価格を4割近く上回る92.7ドルをつけ、時価総額は約2310億ドル(当時の為替レートで約25兆円)に達した。
史上最大規模の上場に沸く関係者の中心で喝采を浴びたのはもちろん、創業者で執行主席の馬雲氏だ。傍らには約3割の株を持つ筆頭株主であるソフトバンクグループの孫正義社長の姿があった。
孫社長が駆け付けたのも当然だ。アリババの上場はソフトバンクにとっても、並外れた慶事にほかならない。2000年に出資した20億円は上場で4000倍となり、8兆円の含み益に化けて返ってきたからだ(今年3月末時点のソフトバンクによる議決権所有割合は31.9%)。アリババ株はその2カ月後に120ドルまで駆け上がり、ソフトバンクの含み益はさらに膨らんだ。
しかし、それをピークにアリババ株は下落基調に転じている。今年9月には一時57ドル台にまで落ち込んだ。中国景気の減速というマクロ要因に加え、アリババ自体、14年度の決算が営業減益となったことも重なり、成長力に疑念が持たれ始めたからだ。「革新的で、爆発的に伸びる企業としての期待が薄れ、普通の企業として見られるようになった」(中国のネット業界に詳しい家本賢太郎・クララオンライン社長)。
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