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パナマ文書公開が迫る 海外戦略の練り直し タックスヘイブン活用が難しくなる可能性も

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パナマの法律事務所モサック・フォンセカから、大量の文書や電子メールが流出。右下のICIJは法人・個人名をデータベースにして世界に公開した(朝日新聞社/時事通信フォト)

「テレビで今朝見て驚いた。孫会社の孫会社みたいなところが少数株主として投資をしたらしい」

5月10日、ソフトバンクグループの孫正義社長は、決算会見で記者に問われ、コメントした。同日公表された「パナマ文書」に、ソフトバンクのグループ会社の名前が載っていたからだ。

課税逃れの実態に迫る

パナマ文書とは、パナマにある法律事務所モサック・フォンセカから流出した、1150万点超の文書類だ。世界の企業や個人によるタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態が記載されており、課税逃れが暴露されるのでは、と世界が注目した。

実際、アイスランドの首相は英領バージン諸島での資産隠し疑惑が発覚し、辞任に追い込まれた。英国のキャメロン首相も、親族がパナマに信託資産を持っていたことで、非難を浴びた。ほかにも、中国の習近平国家主席の親族や、ロシアのプーチン大統領の側近の名が挙がっている。

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は、2013年に公表済みの「オフショアリークス」のデータベースに、パナマ文書を追加する形で5月10日に公表。これによって約21万4000件の法人の名前が明らかになった。そのうち日本に関係しているとみられる法人・個人は約400件に及ぶ。

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