国税当局による海外の個人資産への課税強化が進んでいる。日本国内に住んで海外に5000万円超の財産を持つ人を対象に、「国外財産調書制度」が2014年に始まった。
この制度によって、国外財産の種類や金額について所轄の税務署に届け出をすることが義務づけられた。相続時の申告で国外財産の申告漏れが多いことから、本制度が導入された経緯がある。
一方、有価証券の含み益がある富裕層の海外移住(日本国内に住所がなくなる人)を対象にした「国外転出時課税制度」が15年7月にスタートした。
いわゆる「出国税」と呼ばれるもので、海外への転出時や、海外に居住する親族などに贈与または相続によって資産を移転させたとき、その含み益に課税する制度である。
この制度ができる前は、居住者と非居住者との課税の取り扱いが異なる点を利用すれば、株式などの売却益について課税を逃れることが可能だった。含み益のある株式を保有したまま海外に移住し、キャピタルゲイン非課税国で売却すれば課税を逃れることができたのだ。
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