税制改正には毎年、目玉が存在する。2013年度は半世紀ぶりの相続増税(施行は15年1月)、15年度はアベノミクスの成果である法人減税が話題になった。
その意味で16年度改正の目玉は、翌年度に税率10%になる消費税での軽減税率導入といえるだろう。減税規模は1兆円。近年の税制改正の規模としては群を抜いて大きい。
軽減税率をめぐる与党内の議論は最後の最後までもつれた。これほどの規模の減税を賄う財源はそう簡単には見つからない。対象範囲を抑えたい自民党と、選挙公約を盾に支持者に成果をアピールしたい公明党が共に譲らず、決着は政府予算案の決定直前までずれ込んだ。
軽減税率の陰に隠れた格好だが、小粒ながらいくつか重要な改正事項もある。法人税率は15年度に続いて引き下げられ、16年度から20%台になる。自動車取得税を廃止し環境性能に応じた新たなグリーン課税が導入される。個人課税では、相続した空き家を更地にして売却したなどの場合に控除を認める。三世代住宅でリフォーム費用の控除も決まった。
軽減税率にエネルギーが費やされ、それ以外の大型改正は先送りされた。17年度の目玉は何といっても所得税改正で、配偶者控除や年金課税の見直しが論点に挙がる。いずれもパート主婦世帯や高齢者世帯の懐を直撃することになるため、どこまで踏み込めるかが課題になる。
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