メディアとしての信頼性確保が重要--エマニュエル・オーグ 仏AFP通信社社長


 既存のメディアなどに提供していたのとは違う形で、ニュースの文章、写真、動画などを顧客に配信していきたい。日本では時事通信だけでなく、クリエイティヴ・リンク社などとも提携しています(編集部注:両社は日本で写真付きのコミュニティニュースサイトを運営)。テレコム会社、インターネット業者、サイト運営者などとの連携を進めるつもりです。

--日本の通信社の経営は厳しさを増しています。

われわれも似たような状況に直面しました。経済危機は広告の危機を引き起こし、報道機関の財務状態も悪化しました。ただ、それだからといって、いたずらに縮小するようなことは考えず、予算を見直し、注意深く推移を見守ってきました。

今後も「発展する」という強い意志を持っており、コンテンツなどの多様化を進めようという考えにも変わりはありません。情報のネットワークは広がりを見せています。しかも、人々はより多くの情報を求めている。こうした中で、今までの形態を維持しようとすれば、縮小せざるを得なくなるが、われわれはそうしたスタンスではありません。情報を発信するのはわれわれの責任だと思っています。

--日本では既存メディアとインターネットメディアなどの競争が激化しています。

それは日本に限った話ではありません。フランスでも状況は同じです。世界的に見ても例外ではなく、コンテンツや配信の形態なども大きく変化しています。情報を集める手段もフェースブック、ツイッターなど多様化してきました。同時に、収集した情報が確実なものかどうかを検証する、という新たな作業も必要になっています。

ブレイキングニュースのみならず、さまざまな情報が飛び交う社会が到来し、通信社も従来のような既存のメディア相手だけにビジネスをしている時代ではなくなりました。将来のシナリオを前もって描くことはできませんが、国際的な変化にどう対応するかが問われています。変化を目の当たりにすると、これからどうなるのか心配する向きもあるでしょう。しかし、それは楽しみでもあるのです。変化に対応し、その中から新しいものを生み出そうと模索しています。

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持たざる国・日本に大激震<br>エネルギー危機が来る

脱炭素の移行期に化石燃料の争奪戦が勃発。天然ガスの価格は歴史的な急騰を記録しました。余波はサプライチェーンの混乱から世界経済の後退懸念、原発待望論まで広がります。資源小国の日本が生き残る道はあるのでしょうか。

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