共産党と公明党が今回の総選挙の勝者だ 共産党の大躍進、公明党の議席増が持つ意味

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もう一方の勝者が公明党だ。今回、4議席も増やしたことは、公明党自身にとっても驚きだったに違いない。当初は議席減も予想されていたからだ。

「北海道10区の稲津久氏が危ない」。選挙戦の最中、常にそのように囁かれていた。苦戦の時は1面の記事に取り上げられることが慣例の公明新聞には連日、稲津氏の悲壮な表情が大きく掲載されていた。

実際に9名擁立した小選挙区の候補のうち、稲津氏の当選が決まったのは最後だった。背後のボードに掲げられた稲津氏のプレートに赤い花を付ける時、まだ比例区で3議席ほど決まっていなかったが、山口那津男同党代表の顔がほっとゆるんだのが窺えた。公明党にとって、決して楽な戦いではなかったのだ。

公明党は憲法改正への歯止め役に

「自民党がひとり勝ちするのは、我々にとって都合が悪い」。選挙戦の最中に公明党関係者と話した時、何名かは眉をしかめてこう言った。理由は自民党が公明党の数に頼らなくなり、憲法改正などに突き進むからだという。

またこんな声も聞いた。「自民党と選挙協力しても、ほとんど自民党の得になるだけ。我々の具体的メリットはあまりない」。要するに、自民党は選挙では協力者になりえないという意味だ。

一方で、自公連立によって自民党が受けるメリットは大きい。295選挙区の中に一定数存在する公明票だ。多くて数万、少なくて数千のその票は、もし公明党を敵にまわしたら、自民党の小選挙区の半分が壊滅するほどの破壊力を持っている。

そういう意味で、今回の4議席増は、公明党にとって思わぬボーナスになったに違いない。

事後に無所属の井上貴博氏(福岡1区)を追加公認して291議席を得た自民党は、「現状維持」と見るべきだ。ただし国民の目は2年前のような暖かいものではなくなった。しかも内閣支持率は下落気味で、不支持率は上昇傾向だ。いつ逆転するかわからない。

大きく議席を伸ばした共産党がどのように安倍政権を追い込んでいくのか、そして連立を組む公明党はどのようにサポートしていくのか。政局の目のつけどころは変わってくるのかもしれない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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