自民優勢の総選挙、実は波乱要素もいっぱい 盛り上がりに欠けた選挙戦、結果はどう出る?

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蓮舫氏が大宮駅西口で街宣していたのと同じ時刻、駅東口では自民党の三原じゅん子氏が牧原秀樹氏の応援のためにマイクを握っていた。駅舎を挟んだ対決は、果たしてどちらの勝ちになるのか。眉間に1本のしわをつくり、悲壮感を漂わせて話す蓮舫氏か。あるいは手振りを交え、すっかり政治家としての貫禄を身に付けた三原氏か。その勝負は数時間後に判明する。

選挙戦最終日には、東洋経済オンラインに「松下幸之助 珠玉の言葉」を連載中の江口克彦氏が激怒する”事件”も発生した。

江口克彦氏の怒り

兵庫県6区・JR伊丹駅前で午後4時半、次世代の党の杉田水脈候補が街宣していた時のこと。その前を自民党の街宣車が大音量で走り去ろうとした。それに怒ったのが、杉田氏の応援のために兵庫県入りしていた次世代の党に所属する参議院議員の江口氏だった。

「大串君、失礼だろう!止めなさい!」

江口氏は杉田氏のマイクをとりあげて叫んだ。街宣車の助手席に、自民党の大串正樹氏の姿を見つけたからだ。

「選挙中はお互いの邪魔をしないこと、そして行き交う時には互いに健闘を祈り、たたえあうというのが礼儀です。ところが挨拶もせず、大音響を流しながら通り過ぎる。こんな人物が政治家だと思うと誠に情けないが、こともあろうに松下政経塾出身者なのですよ!」

確かに大串氏は1996年に松下政経塾に入塾した17期生。さらに毎日新聞が行った候補者アンケートで「道徳を小中学校の授業で教え、子どもを評価すること」に賛成しており、道徳を重視しているように見える。

「道徳の重視は言葉ではなく行動で示すべきです。松下幸之助氏は何より、虚偽や不実、非礼を嫌った。幸之助氏が生きていたら、即除籍ですよ!」江口氏の怒りは収まらない。

確かに選挙は仁義なき戦いではあるが、ただそれだけでは意味がない。その中に一抹の「人の情」がなければ、その選挙で作られる国は決していい国にはならないだろう。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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