自民優勢の総選挙、実は波乱要素もいっぱい 盛り上がりに欠けた選挙戦、結果はどう出る?
選挙戦が終わり、あとは開票結果を待つのみとなった。
今回の衆院選ではメディアが選挙戦の初期段階から自民党の圧倒的優勢を報じていた。しかし、それは決して力強いものではなかった。
確かに安倍晋三首相が入る街宣では、多くの人が詰めかけた。12月7日には都内9カ所で安倍首相の応援街宣が行われたが、いずれも各陣営が多数を動員し、あふれんばかりの人だかりとなった。動画のように、13日の秋葉原駅前での街宣も大いに盛り上がった。
小泉進次郎氏ら人気政治家による応援演説も、多数の人を集めている。小泉氏は公示日の2日、地元の神奈川県横須賀市で出陣式を終えると、東京や千葉などを駆け巡った。津田沼駅前では、前の土曜日に開かれた安倍首相の街宣より多くの人を集め、進次郎人気が健在であることを示している。
だが選挙戦を通じ、今回は2012年の政権交代選挙のような盛り上がりを欠いていた。
人気のある政治家の顔をスマホで撮影するだけでさっと帰ってしまう――。集まった有権者の様子を見て感じたのは、そうした乾いた雰囲気だ。結局、最後まで争点がみえにくい選挙であり、関心が高まりようもなかったのだろう。国民の側が悪いわけではない。「無関心」にならざるをえない選挙だったといえる。
大物を招いた集会にも人が集まらず
自民党優勢といえども、当然、苦戦した選挙区もある。
「麻生さんが来たのに、1000人収容のホールに300人しか集められなかったらしいぞ」。12月6日午後7時、麻生太郎副総理を招いて、山梨県1区(甲府市、韮崎市等)の自民党公認候補である宮川典子氏の個人演説会が開かれたが、その時の様子を山梨県の自民党関係者はこう話してくれた。
宮川氏にとって所属派閥の領袖である麻生氏は、決して恥をかかせられない大きな存在。よって何より大量動員が必要だったのだが、ふたを開けてみれば散々たる結果。焦った宮川氏は安倍首相に泣きついた。そして最終日、安倍首相は山梨入りすることになったのだ。
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