オバマ大統領誕生の熱狂から6年。米国が再び岐路に立たされている。1%と99%の格差は広がり、政治的な二極化も加速。長期的な経済停滞の懸念も浮上している。国中から聞こえる不協和音を奏でながら「強いアメリカ」はどこへ向かうのか。
▶▶PART1 現地報告 分断される1%と99%
オバマの夢から覚めた迷える大国はどこへ
99%が不満を爆発させたウォール街占拠運動から3年。広がる格差に翻弄される中間層と米国の現実。
「ここに住めるのは1%どころか、0.1%に属するような人たちよ」
眼下にセントラルパークが緑のじゅうたんのように広がる。両脇にはマンハッタンの住居群。はるか先に伸びるのはハーレム川だろうか。
マンハッタン西57丁目。建設中の高級コンドミニアム(マンション)「One57」の79階。セントラルパークを望むリビングからガラス張りの寝室へ移動すると、今度はド迫力の摩天楼が目に飛び込んでくる。「ニューヨークでもこれほどの眺望はほかにないわ」と案内してくれた女性は自慢げだ。
90階建て92室。広さは94~1259平方メートルで、価格はいちばん安くて300万ドル(約3億円)、最高値のペントハウスは9000万ドル(約95億円)だ。One57は、これまでのマンハッタンの高額記録を塗り替えた。すでに7割が売却済みで、ペントハウスも即完売した。
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