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ピケティのアイデアでは米国の格差は解決しない [INTERVIEW]ローランド・フライヤー

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ハーバード大学経済学部教授のローランド・フライヤーは経済学者としては異色すぎる経歴の持ち主である。

テキサス州でシングルファーザー家庭に育った。父親は酒飲みで職に就いても長続きしないうえ、フライヤーが中学生の頃、性犯罪で捕まってしまう。極度の貧困と先の見えない日々。フライヤー自身も銃を持ち歩くような生活を送っていた。

ローランド・フライヤー / ハーバード大学経済学部教授
Roland G.Fryer Jr./ 1977年生まれ。2012年に優秀な若手社会科学者に授与されるカルヴォ・アルメンゴル国際賞。「経済学会、黒人社会のライジングスター」との呼び名も。

15歳のとき、転機が訪れる。街でドラッグディーラーに間違われ警察の尋問を受けたことで、生活を見直すようになったと過去のインタビューで告白している。その後、スポーツで奨学金を得てテキサス州立大学に進学。ここでの経済学との出会いが2度目の転機となった。

それからの活躍はアメリカンドリームそのものだ。同大を2年半で卒業すると、ペンシルベニア州立大学大学院に進み経済学の博士号を取得。25歳でハーバード大の研究職を得る。フライヤーにラブコールを送ったのは当時学長だったローレンス・サマーズだとされる。

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