『クリスマス・ストーリー』--景気回復にとって大事なホリディ・シーズン《宿輪純一のシネマ経済学》


 欧米ではクリスマスは特別な意味を持ち、日本のお正月のような役割もあるいちばん楽しい日である。特に米国では11月の第4木曜日の感謝祭(Thanks Giving Day)から新年までの期間を「ホリディ・シーズン」と言い、「浮かれた季節」となる。以前は「クリスマス・シーズン」といっていたが、米国民の宗教もキリスト教だけではないため、最近では宗教的な色合いがない呼び名になった。

「感謝祭」とは米国に移民してきた人たちが1年を生き残ったことを感謝する日ということで、キリスト教のお祝いではない。またなぜ「七面鳥」なのかというと、そのときに米国に多数いて、移民はそれを食べて生き延びたといわれているからである。

さて、このあと今年は11月30日(日本時間12月1日)に、ニューヨークのロックフェラーセンターで、米国一立派なクリスマスツリーが点灯され、その気分を盛り上げる(このクリスマスツリーは、米国中を探して自然の巨大なモミの木を切って持ってくる。筆者が米国にいたときには修道院の庭から買ってきていた。切って使い捨てなので、個人的にはこんな巨大な木を切るのは自然保護の観点から少々疑問に思うが)。

このホリディ・シーズンは米国の「経済」にとっても特別な意味がある。この期間に米国の小売り分野の年間売り上げの約3分の1を計上するからである。また米国では小売り(個人消費)の経済規模(GDP)に対する割合が高く、全体の約7割もあり、経済全体に与える影響が大きい。つまり、このシーズンが米国経済の景気にとって非常に大事な時期なのである。

最近は、米国の雇用の状況もやや上向きで、個人消費も戻り加減であり、個人的にはこのシーズンの売り上げは期待できると思う。やはり、世界最大の経済の米国の景気が戻ることが、世界経済全体の回復、そして自己回復力の弱い今の日本経済には必要ではないか。


(c)Jean-Claude Lother/Why Not Productions

しゅくわ・じゅんいち
映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングスなどに勤務。非常勤講師として、東京大学大学院、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学等で教鞭を執る。財務省・経産省・外務省等研究会委員。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA

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