『クリスマス・ストーリー』--景気回復にとって大事なホリディ・シーズン《宿輪純一のシネマ経済学》

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 フランス映画は、他の国、特に米国の映画とは違う。それはフランスでは映画は「第7の芸術」と考えられ特別な地位にあるからである。そのため、フランス映画は情緒的、哲学的、そして刹那的といった特色を持つ。また、映画というものは実は1895年にフランスでリュミエール兄弟によって誕生した。1946年には、フランス政府によって、世界3大国際映画祭の中でも最も権威がある「カンヌ国際映画祭」が始められた。

その後も、フランス語で「新しい波」を意味する「ヌーベル・バーグ」が起こり、トリュフォーやゴダールなどによって斬新な映画が作られた。しかし、最近ではハリウッド映画に押され加減で、逆にハリウッド型の映画も製作されるようになっている。



(c)Jean-Claude Lother/Why Not Productions


 そういったフランス映画の流れの中でカトレーヌ・ドヌーブは常に第一線で活躍している。彼女は43年パリ生まれで、この映画は2008年製作なので、当時65歳(!)である。最近も来日した。この年でこれだけチャーミングなのはすばらしい。彼女は、カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた64年の『シェルブールの雨傘』に主演し、一躍、スターダムに躍り出た。

以降、映画出演作は100本を超える。ちなみに本作で共演の女優キアラ・マストロヤンニは、俳優マルチェロ・マストロヤンニとの間の実の娘でもある(娘よりも母親のほうがチャーミングという気がするのは筆者だけだろうか)。

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