第一生命保険・渡邉光一郎社長--「石川遼のような生命保険」が110周年へ向けた戦略の第一弾
また、12年の創業110周年までの計画「サクセス110(いちいちまる)!!」では、株式会社化したことで、エンベデッド・バリュー(EV:株主に帰属する貸借対照表から計算される「修正純資産」と、保有契約に基づき計算される「既契約の将来価値」の合計、生命保険会社の企業価値を評価する指標の一つ)を重視することを明確にしている。
当社のメイン指標である正味新規契約高はEVと連動させており、解約・失効率、継続率の改善はEVの保有契約価値に連動している。当社の解約・失効率は業界の中でも特に改善しており、それが継続率の改善につながっている。
直近では、解約・失効率、継続率、顧客満足度も格段に改善した。09年に株式会社化を進めた時に、のべ4500万通もの案内を顧客へ発信した。また、生涯設計レポートも毎年発信しており、それに連動した顧客訪問活動にも取り組んだ。さらに、事務センターやコールセンター等からも顧客に向けさまざまな案内をしてる。
顧客との接点が格段に増え、情報を営業職員と共有化した。それが、82.6%と過去最高の顧客満足度につながった要因だと思う。
業績自体は09年の後半から今期まで良い状況が続いる。商品・サービス・提案それぞれを強化し、しっかりしたコンセプトに基づいたビジネスモデルを構築できれば、確実に業績が伸び、顧客の信頼も得られることを実感した。
顧客満足度の向上、信頼性確保のための品質重視、こういった要素をトータルで運営することが必要であり、「新・生涯設計」というコンセプトに基づき、将来のパートナーになるという打出しが重要だと思っている。
この基本コンセプトに基づき、今後、商品・サービス、基盤の対応をどうするのか。生涯設計を戦略と捉え、単なる設計書などではなく、戦略という形で体系整備していこうと思っている。