今起きているのは欧米型システムの崩壊だ 旧来秩序は役に立たない

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われわれは混乱の世界に生きている。欧米諸国のいくつかは、強力な統一国家に戻ることを切望しているかもしれないが、それは難しいだろう。

中国やインドも、経済的成功の反面で中流階級の政治的野望が既存の枠組みを機能不全にするため、国家破滅を招くかもしれない。別の見方をすれば、世界の東側の半分が強力な権威主義国家構造に組織され、西側では連携によるポスト国家モデルが取り入れられている。

競合する組織構造の世界に制度と規則の枠組みをどのように提供するのかが、国際統治における問題だ。

旧来秩序は役に立たない。ロシアは国連安全保障理事会という国家ベースの最高位の国際機関を、ウクライナ問題では脇に追いやり、シリア問題では手詰まりにさせた。政治家の喧噪とは別に、ロシア人たちが望むことは、世界貿易とテクノロジーの黄金時代の恩恵を家族に提供し享受させてくれる、平和で予測可能な国際秩序ではないだろうか。

国家のハードパワーが、国境を越えたアイデア、発明、融資のソフトパワーと競い合う世界には、規律が必要だ。NGOが正式な役割を持つような世界秩序を設計する勇気を奮い起こすべきだ。さもないと、(防衛費の拡大やグローバルな機会損失の形で)ツケは高くつく。国家が「力は正義なり」のアプローチを追求し続け、必要な金融規制や環境保護義務を回避する結果を招いてしまう。

悪行は国家だけではない

悪行は国家だけではない。国境を越えた経済活動は、規制から逃れようとする者たちに、ビジネスだけでなく組織犯罪などの機会も与えてしまった。

現状では米国が、司法制度の域外適用と国際金融制度の管理に頼って、国境での司法問題に対処する役割を演じている。だが、これでは不十分だ。

必要なのは、政府と民間の利害関係者によって考案された規則、規範、制度の正当なシステムである。経済、政治、社会活動のグローバルな性質を反映することで、非国家的構造のパッチワークと共存していかなければならないのだ。

週刊東洋経済2014年11月29日号

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