どうなるCOP16? 温暖化対策は2国間協定の枠組みで進めるべき[2/2]

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 そして、また大きな問題は、案件実施国の偏重である。CDMの7割以上が中国に集中している。これは中国政府の強力な後押しで進んでおり、巨大な排出国であるにもかかわらず削減義務がない中国を大きく利するものとなっている。


出典:経済産業省サイト http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004672/007_05_00.pdf

筆者は、国際的な包括的な枠組み作りが困難であれば、世界貿易機関(WTO)でのドーハ・ラウンドが進展せず、FTA(自由貿易協定)といった2国間や地域間協定(たとえば、最近有名なTPPは地域間自由貿易協定)が進んだように、地球環境問題への対応も2国間・地域間で協定を結び、2国間クレジットなどを強力に進め、これを徐々に拡大していくことが日本にはふさわしいと考えている。

ただし、2国間・地域間の協定だと世界全体での削減量が規定できないとの問題があるが、現行のCDMに加えて、2国間・地域間協力を広く取り込んだ国際的な枠組みも設計できると考えている。筆者も、COP16の開催地であるメキシコのカンクンに行きたい!

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