伊東孝紳・ホンダ社長--国内生産100万台は円高が続いても維持する

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戦略の中心がHVとなるかは、まだ微妙

IMAは現在の生産体制に合わせて、普通車と混合生産できることが利点。専用ラインを立ち上げる必要がない。ホンダは石橋をたたいても渡らない会社だから(笑)。

HV車の販売拡大はそんなに急いでいない。HVは制動エネルギーを駆動に回すという、従来の車とは違う論理がある。HVを持つ強みは必ずあるし、持たなければならない。ただ、今後5年のビジネスのキーゾーンがHVとなるかどうかは、まだ微妙。日本では徐々に普及しているが、他地域ではまだまだという感じだ。少なくとも今後20年間は内燃エンジンが主流であることは間違いない。

--内燃エンジンについては来年、他社から30キロメートル/リットルという低燃費車の販売が計画されています。

30キロメートル/リットルという数字を、今の車のスペースや静寂性などを維持しながら実現するのはたいへんなことであるのは確か。しかし、12年には順次エンジンとトランスミッションのラインナップを刷新する。エンジンの進化は他社に負けない。これは当たり前の理屈でやっていく。

──次世代エコカーの本命は?

長期的には、今でも燃料電池車だと思っている。ただ化石燃料ゼロを実現するまでの移行期間では、プラグインハイブリッド(PHV)だろう。電気自動車(EV)は走行距離に問題がある。うちの燃料電池車「FCXクラリティ」は水素を6キログラムしか詰んでいないが、600キロメートル走る。やはり究極の電池は水素だ。バッテリーも進化するだろうが、1回の充電で500~600キロメートル走るのは本当に至難の業。ガソリン車の利便性も併せ持つPHVは、こうした化石燃料ゼロ実現までの移行期間を埋める役割が期待できる。

EVを否定しているわけではない。12月から法人のお客様に電気2輪車「EV−neo」をリース販売するが、そのニーズはコミューター的な使い方。4輪EVもその延長戦上にある。今後家族で遠出をするときは「ステップワゴン」、日常の足としてEV、というニーズはあると思う。

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