伊東孝紳・ホンダ社長--国内生産100万台は円高が続いても維持する

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──今の円高水準が続いたら国内生産100万台を維持できますか。

現在では国内生産約100万台のうち20万~25万台を輸出に回している。ある程度、輸出を残さないと世界のお客様に製品を届けられない。本当は(国内の生産能力である)130万台を維持と言いたいが、今言えるのは100万台レベル。でも、それは十分に可能だと思っている。

究極の為替ヘッジは、日米中など大きな拠点でそれぞれ現地市場の7~8割を現地生産で賄い、残り2~3割の製品を融通し合うこと。その実現には、車種をもう少し統廃合する必要がある。日本・アジアは小型、北米・中国は大型と、地域によって売れ筋が異なり、今後は中間車種の融通が焦点になる。調整には15~20年かかるが、その方向で取り組んでいく。この点から見ても、日本はすでにゴールに近い。

──13年には埼玉県の寄居工場が稼働します。日本の生産能力がさらに増えるのではないですか。

そこは誤解されているが、寄居が稼働しても、生産能力が増えるわけではない。同じ埼玉県内の狭山工場が老朽化しており、この地域での仕事量を維持しながら、バランス運営を考えていく。ではなぜ新工場か。これからの環境技術は車両だけでなく、工場のCO2排出削減や物流も含めた対応が必要になる。大幅な環境技術の進化には、工場のコンセプトから変える必要があった。この考えは福井(威夫前社長)が新工場の建設を決めたときから一貫している。狭山の閉鎖は考えていない。

──新型「フィット」が好調です。

すでに3万台を超える受注をいただき、うち7割がハイブリッド車(HV)。私は「そんなに売れないよ」と言っていたので、先日、小林(浩・日本営業本部長)さんに謝ったんだ。今も生産の間に合わない状況が続いている。

1モーターの小型HVシステム(IMA)が身近なものとして受け入れられたということだ。(HV比率7割は)行き過ぎのような気もするが、日本ではHVをリーズナブルな価格で提供すれば、お客様にご反応いただけることがわかった。

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