テレビ販売は空前の活況…それでも売れない3Dテレビ
薄型テレビが空前の活況に沸いている。政府は来年3月に終了するエコポイントの反動減を最小限にするため、12月から対象商品の絞り込みやポイント半減などを実施した。そのため11月に入って、駆け込み需要がピークに達したのだ。
11月までの週末の家電量販店は長蛇の列。「11月のテレビ販売は前年同月比4倍」(ビックカメラ)とうれしい悲鳴が上がる。2010年の国内テレビ販売台数は約1800万台(09年1357万台)とみられていたが、今の勢いなら2000万台を軽く超えるだろう。
だが唯一、苦戦を余儀なくされているテレビがある。今年の年末商戦の本命とみられていた3Dテレビだ。
薄型テレビの販売台数に占める3Dの割合は、10月単月で3%となった(BCN調べ)。3D元年となる今年度は100万台が期待されており、6月に参入したソニーは国内シェア50%を目標に掲げている。パナソニックやシャープも参入済みで、年末商戦に向けて活発にテレビCMでアピールしている。
しかし家電量販店からは、「見込みの半分以下しか市場は膨らんでいないのでは」との声が漏れる。最大の敗因は、圧倒的な価格差にある。たとえば40型の薄型テレビ。10万円弱は当たり前だが、これにエコポイント2万3000円分がつけば割安感は抜群。一方、40型の3Dテレビは20万円弱と2倍の差がある。エコポイントがついても、1個1万円の3D対応眼鏡を二つ買えば帳消しだ。
皮肉にも、エコポイントによって低価格帯のテレビに人気が集中。単価の高い大型3Dテレビの存在感は薄れた。