ロシアのウクライナ侵攻を止める「悪魔の選択」 「第2のソ連崩壊」を目撃することになるのか?

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NATO軍というのは、幕末における旗本三千騎のような見掛け倒しの腰抜け集団であるのだと。

こうなると経済制裁は「抑止」の手段ではなく、ロシアに対する「懲罰」を目指すものとならざるをえない。戦争を続けるための経済力を、ロシアから奪うことが目標になる。ゆえに対ロ制裁は前代未聞の規模となっている。

民間企業のロシアからの大脱出が止まらない

ロシア政府の外貨準備を凍結する、などの厳しい措置が取られるいっぽうで、民間企業のロシア市場からのエクソダス(大脱出)が止まらない。特にグローバルブランドを有する企業にとっては、「まだロシアで商売をしているのか!」という顧客や投資家からの非難が何より怖い。

だいたいロシア市場は、アメリカなどその他市場に比べれば格段に小さい。だったら義理立てすべき理由は乏しい。仮に、中国などの企業が内心ではロシアに肩入れしたいと思っていても、この経済原理からは逃れられないのである。

それにしても途方もない事態が進行中だ。マイクロソフト社が撤退したから、ロシア国内のWindows機はすべて海賊版と同じ扱いになり、プログラムの更新はおろかサポートもされなくなる。アップル社のiPhoneも以下同文となる。

日本などの航空会社はロシア上空を飛行することをやめて、アンカレッジ経由や南回り航路に変更している。安全保障上の理由もさることながら、SWIFT(国際銀行間通信協会)から排除されているからロシア政府に対して通行料が払えないことが直接の原因であると聞く。信じられないような話が次々と起きている。

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