堀江氏の新球団初戦「1000人近い集客」できた事情 西岡剛率いる福岡北九州フェニックスがデビュー

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開幕戦が行われた北九州市民球場は、北九州市小倉北区、オフィスビルや商店が立ち並ぶ市街地にある球場だ。1958年開場と古く、老朽化が目に付くが、古くは西鉄ライオンズ、今は福岡ソフトバンクホークスの準本拠地になっている。

3月19日は空模様は怪しかったが、早くからファンが球場に詰めかけていた。メディアの数も多かった。前年、熊本市で行われたリーグの開幕戦よりも華々しい印象を受けた。

前日からの雨が残っていたため、ピッチャーマウンドと本塁付近にはシートがかけられていたが、両軍の選手はその横で身体を動かしていた。

プレイングマネジャー西岡剛の存在感

ひときわはつらつとしていたのが、福岡北九州フェニックスのプレイングマネジャーの西岡剛だ。西岡は、内野手たちにノックを打っていた。スイッチヒッターの西岡だが、器用なことに右、左、交互にノックバットを振っている。西岡は選手たちに丁寧に声をかけていた。

ノックをする西岡兼任監督(写真:筆者撮影)

2018年オフに阪神から戦力外になって以降、西岡はルートインBCリーグ栃木ゴールデンブレーブスに在籍、その傍らオフにはNPBの12球団合同トライアウトを2年連続で受けるなど、NPBへの復帰にも執念を燃やしていた。トライアウトでは「あえて一番厳しい道を選んだ」と言っていた。

同時に栃木球団では、若い選手のリーダー格として、選手たちの面倒を見ていた。もともと遊撃の名手だが、栃木では二塁や外野も守った。筆者は西岡のこうした姿を逐一見てきた。監督就任前の昨年の北九州球団のトライアウトにもお忍びで顔を出していた西岡が、だんだんと指導者の顔になってきているような印象を持っていた。

午後1時のプレーボールだったが、12時前から雨粒が落ちてきた。観客席のあちこちで傘が開いていく。そんな中で開幕式のセレモニーが始まった。

球団公式テーマソング『Fly High ~北九州フェニックスのテーマ~』を作詞作曲した地元のロックバンドグループ「175R(イナゴライダー)」のボーカルSHOGOによる「君が代独唱」に続いて、ヤマエ 久野九州アジアリーグの田中敏弘理事長があいさつした。

田中敏弘理事長のあいさつ(写真:筆者撮影)

田中理事長は、火の国サラマンダーズの前身である社会人野球の熊本ゴールデンラークスの創立者であり、地元熊本、九州を盛り上げるために独立リーグを立ち上げた。

昨年開幕時に田中理事長に話を聞くと「新しいリーグは、日本国内だけでなくアジアも視野に入れている」と話していた。また当時、すでに「新たに参入を希望する球団がある」とも語っていた。この日は「今日は関東や和歌山から長い時間をかけてきたファンもいる。選手たちはそのことを肝に銘じて頑張ってほしい」と話した。

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