ドワンゴ川上会長、「非リアは脳の問題です」 「ネットが生んだ文化」とは何か

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山田: スマートフォンが普及して、コミュニケーション能力がない人も街に出やすくなっています。部屋にこもってPCをやるイメージから、少し動きやすくなったと思いますが、ツールの進化によって非リアのあり方は変わってきたのでしょうか。

川上: あり方が変わってきたというより、昔は明確に住む場所が違っていたのだと思うんですよね。オタクの人たちにとっては、現実社会にはもう居場所がない。だからネットに行ったわけですよ。ところが今はネット自体、普通の人も住んでいる場所になってきました。

スマホ時代になって変わったこととしては、特定のコミュニケーション能力が高い子どもが増えたかもしれません。今までのコミュニケーション能力とは音声でのコミュニケーションだった。でも今、スマホを使っている小学生は、文字のコミュニケーション能力が異常に発達している。書き言葉でコミュニケーションをしているわけで、あんまりしゃべらないし授業中も反応がないのだけれども、ネットではめっちゃツイートしているかもしれない。

実は、これも昔からネットの世界で起こっていたわけです。僕らが最初にユーザー参加型の記者発表をニコニコ動画でやった時には驚きましたよ。ユーザーを招いて、秋葉原で記者発表を行ったんですが、面白いことを言っても全然みんな笑ってくれないんです。でも、ネットを見てみたらうけていた(笑)。表情に出さないんです、ネットの人たちは。これに僕はすごい衝撃を感じたんです。

今はそういう人たちが増えているように思います。若い世代はLINEを使ったコミュニケーション能力は強烈に高いのかもしれない。でもその分、対面でのコミュニケーション能力は下がっているのかもしれない。

子どもにスマホは絶対、与えない

『ネットが生んだ文化(カルチャー)』(角川学芸出版)。上の画像をクリックすると特設サイトにジャンプします。

山田: "話し言葉コミュ障ではあっても、書き言葉コミュ障ではない"という人たちが生まれてきた、と。

川上: そうです。話し言葉のコミュ障なのか、書き言葉のコミュ障なのか、両方のコミュ障なのか、いろいろと状況は複雑になってきているのだと思います。

いずれにしろコミュニケーションに使う脳の領域を制限し、その分、特定の趣味に関して使ったりするわけです。根本的な原因は、やはり脳だと思っています。

山田: 脳の使い方はコントロールできるんでしょうか。

川上: いや、無理でしょう。だから僕、絶対子どもにスマホなんか与えないですよ。テレビも絶対に見せないですよ。絶対バカになるに決まっています。脳は有限なんだから、絶対にダメですよ。

山田: 脳がきちんと働くようになってからでなければ、脳がそうしたもので占拠されちゃうということですね?

川上: 特にいちばん最初の小さい時にどういうところの能力が高まったかということで、その後の人生が左右されると思います。男の子が産まれたら、絶対に友達とは遊ばせない。コミュ障にして、科学者とか数学者とかにしたい。そのために何が重要なのかと言ったら、テレビ与えない。友達とも遊ばせません。

山田: 友達との人間関係に有限な脳を使わせない。

川上: そう、使わせない。仲間外れになるような感じの子に育てたいですよね。だって脳は有限なのだから、やっぱりそういうことしないとダメですよ。

山田: お子さんは女の子ですよね。女の子の場合、コミュニケーション能力も大事だな、と思いますか?

川上: いや、女の子の教育については妻の管轄なので、僕には発言権はないので。無理なんですよ(笑)。

(撮影:梅谷秀司)

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