山田: むしろそれをサポートする外部メモリとしてのアシスタント役が活躍することで、社会とのつながりを維持していたのでしょうね。ベートーヴェンやゴッホなどは、弟が支えていました。
川上: そうですよね。出版社の編集者の役割としても、そこの部分はきっと重要ですよね。特殊な才能をもった作者が社会とのつながりを持つのを助けるのも、たぶん編集者の重要な仕事のひとつのはずです。
昔は、よほど何かにのめり込んだ人たちだけがそういうコミュニケーション能力に欠陥まである状態になったのかもしれない。でも、今はもう万人(ばんにん)が情報の海の中で過ごしていて、多かれ少なかれ、みんなが同じような状態になってしまった。刺激的な言い方をあえてするならば、現代人は全員が"発達障害"なんです。程度の差こそあれ。

その中で、より程度の大きい人たちがコミュ障になり、必然的に非リアになっていく。そして因果関係としてはどっちが先かはわからないけれども、オタクになっていく。今こんなにオタクと呼ばれている人たちが増えていて、力を増している一番根源的な理由は、そこにあると思う。
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