テレビのバラエティが“延命"に走る深刻な理由 BTS、鬼滅、チェーン店…他社ブランド頼りの危うさ
3月に入って民放各局が春の番組改編会見を行い、それぞれ新番組を発表。しかし、綾瀬はるかさん、木村拓哉さん、ディーン・フジオカさん、二宮和也さんら豪華な主演俳優がそろったドラマと比べて、バラエティの話題が盛り上がっていません。
では、なぜ盛り上がっていないのか。ゴールデン・プライム帯の主な動きを見ていくと、その理由が浮かび上がってきます。
まず日本テレビは「今夜くらべてみました」を終了させて「上田と女が吠える夜」をスタート。しかし、女性芸能人を集めたトーク番組という枠組みは変わっていません。
次にTBSは「オトラクション」を終了させて「サンドウィッチマンのどうぶつ園飼育員さんプレゼン合戦 ZOO-1グランプリ」(CBC)をスタート。しかし、すでに各局のゴールデン・プライム帯で3番組が放送されている動物番組であり、新番組らしい鮮度は感じられません。
フジテレビは「スカッとジャパン」のレギュラー放送を終了させて「あしたの内村!!」をスタート。さらに2時間特番枠「日バラ8」を終了させて「千鳥の鬼レンチャン」と「呼び出し先生タナカ」をスタート。「あしたの内村!!」は“没入型バラエティ”という新たな切り口ですが、「千鳥の鬼レンチャン」はメインの「サビだけカラオケ」が類似番組の多い企画であり、「呼び出し先生タナカ」は“令和の「平成教育委員会」”という印象の番組で、こちらも鮮度は感じられません。
また、テレビ朝日はゴールデン・プライム帯の新番組がありません。つまり、「このままでOK」という方針がうかがえますが、残念ながら「テレビ朝日のバラエティはSNSやネットニュースで話題になるものが主要4局で最も少ない」と言われています。
1年で最も重要な春の番組改編で視聴者に期待感を抱かせられないのは大きな問題ですが、この状態は今年だけではありません。
「新番組よりリニューアル」の危うさ
昨年スタートした新番組で「成功した」と言われているのは、「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」(中京テレビ・日本テレビ系)のみ。いずれも視聴率の低迷だけでなく、ネット上の話題にすらほとんどあがっていないことが停滞感を物語っています。
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