試験に「出る問題」「出ない問題」超単純な見分け方 資格試験の勉強で最も重要なのは過去問だ

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問題文は何行ぐらいなのか。選択肢は何個あるのか。選択式なのか、穴埋め式なのか。また、「次の中から正しいものを選べ」といったシンプルな問題もあれば、「次の中から正しいものの個数を答えよ」といった、ひとひねりした問題もあります。

あるいは、選択肢が「1徳川家康」「2織田信長」「3豊臣秀吉」レベルなら迷いませんが、「1山田太一郎」「2山田太一」「3山田一太」レベルなら、正確に覚えていないと「どっちだっけな?」と迷ってしまうのではないでしょうか。

「選択式」の問題1つとっても、まるで難易度が違います。難易度が違えば、勉強に求められる精度も当然、変わります。これは、過去問をよく読まないとわかりません。だから私は、過去問を解くのではなく、「読む」ことを受験生に勧めているのです。問題の形式はもちろん、選択肢のレベルや問い方などで問題の難易度は変わるので、過去問を読んで、そこまで把握しておくことが勉強の準備として大切なのです。

1ページ目から勉強を始めてはいけない理由

過去問に目を通したら、次は参考書。ですが、参考書や教科書の1ページ目から勉強を始めるのは、効率をまったく無視したムダだらけ。勉強の効率を上げるために、私は「正しくヤマを張れ」といつも伝えています。参考書の1ページ目から真面目に勉強を始めるのは、効率を考えるとアウトです。その理由は、参考書や教科書は出題頻度の高い分野から解説してくれているわけではないからです。

例えば、司法試験を受けるなら憲法についての勉強は必須ですが、仮に『憲法』という参考書なり教科書があったとしたら、1ページ目から解説されるのは憲法の歴史でしょう。しかし、司法試験に憲法の歴史が出題されることは、実はあまりありません。日本史の教科書は通常、縄文時代から始まりますが、大学入試の日本史で縄文時代に関して出題されることが非常に珍しいのと同じです。

大学入試の日本史で一番出題されるのは近現代だと思いますが、近現代は当然ながら教科書の最後です。だから学校によっては、近現代まで授業が進まなかったり、大急ぎでやることになって手薄な授業になったりします。歴史授業の「あるある」ではないでしょうか。

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