試験に「出る問題」「出ない問題」超単純な見分け方 資格試験の勉強で最も重要なのは過去問だ

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つまり、資格試験の参考書も、出題頻度の高い分野から解説してくれているわけではない以上、1ページ目から真面目に勉強する必要はないということです。資格試験によっては、最初の単元すべて、合格のための勉強には必要がないケースすらあります。

参考書や教科書というのは、すべての分野を基本的には平等に扱っています。網羅性が重視されているため、ヌケやモレはありませんが、その分、試験に出ないことまで解説されているのです。したがって、参考書を1ページ目からじっくり読む必要もなければ、全部を一言一句読む必要もないということです。出題されないのであれば、まったく読まない分野があっても資格試験に合格するためには何の問題もありません。

全体像を知るために、1回だけサラっと読んでおけば十分という分野もあるのです。

試験に頻繁に出題される分野とそうでない分野

それでは、試験に頻繁に出題される分野と、出題されない分野はどうすれば見分けられるのでしょうか。これは過去問を見れば一目瞭然です。「過去問を読む」ことは、この出題傾向を把握することにも非常に有効なのです。

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3〜5年間分の過去問を見れば、どの分野から何問出題されたかは、数えてみればわかるでしょう(多くの問題集や過去問集にはこういったデータが付いていることが多いです)。参考書によっては、こうした出題傾向を分析して、分野ごとに星の数などで出題頻度を表しているものもあります。ただ、それよりもよりわかりやすいのは問題集です。

問題集は、出題頻度の高い分野の問題が多くなりますので、問題集の分野ごとの問題数やページ数で、どの分野の出題頻度が高いのかがわかります。

逆に、出題頻度が低い分野は、問題数も少ないので、こちらもすぐにわかります。こうして出題頻度が高い分野、中程度の分野、低い分野、出ない分野をあらかじめ頭に入れておけば、勉強に濃淡がつけられますし、どこから勉強を始めれば効率的に資格試験を攻略できるか、目途がつけられます。

ハッキリ言ってしまえば、「合格までの最短コース」を歩みたければ、出題頻度の高い分野を重点的に勉強すればいいのです。そうすれば、必然的に出題頻度の高い分野を数多く勉強することにもなり、勉強の効率が格段に上がることは間違いありません。

鬼頭 政人 資格スクエア創業者、弁護士

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きとう まさと / Masato Kito

1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、22013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業、その後、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」(後にfreeeサインと名称変更)も創業。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』など。

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