清原果耶にヘヴィな役柄がこんなにも似合う理由 圧巻の最優秀助演女優賞、主演受賞も遠くない

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清原の得意とする抑えきれない輝きをもった役は朝ドラに限ったものではない。彼女が一層飛躍を遂げたのは、「透明なゆりかご」(NHK 2018年)だった。平成30年度文化庁芸術祭のテレビ・ドラマ部門で大賞、ATP賞テレビグランプリ ドラマ部門のグランプリなど数々の賞を獲ったこのドラマは、産婦人科で働く主人公が命の尊さを見つめていく。命にまつわる難問から眼を逸らさない主人公の姿は、「モネ」の百音や『護られなかった〜』の円山とも重なる部分がある。ドラマではすでに 清原はこの作品で東京ドラマアウォード主演女優賞を獲っている。

清原がこれまで演じてきた役柄は、貧しい家に生まれ奉公に出る者、戦災孤児、東日本大震災で被害に遭った者……と公助が行き届かず、世間的に正しく認識されず、自助でなんとかしていかなくてはならない環境下で、それでもひたむきに生きていく人物が多い。朝ドラが終わったあとの民放主演ドラマ「ファイトソング」(TBS 火曜よる10時〜 3月15日(火)最終回)もその流れのなかにあった。

「ファイトソング」でもヘヴィな境遇に

「ファイトソング」はTBSの火曜10時という恋愛ドラマが人気の枠のため、間宮祥太朗と菊池風磨演じるふたりの男性に囲まれ心揺らす、恋愛ドラマの王道で新境地を拓くかと思わせた。ところが、ふたを開けてみたら、児童養護施設に育ち、聴神経腫瘍によって耳が聴こえなくなり、将来を嘱望された空手の道を絶たれるという、これまでの清原が演じてきたヘヴィな境遇に身を置く役割を一気に集めたようなものであった。

なぜ、彼女はこれほどまで、こういう役割を担わされるのか。もっと気楽な等身大の役をやってもいいのではないかと思いもするが、俳優だったら清原が演じているような大きな課題を抱えた役にやりがいを見いだすであろう。なぜなら、そういう役はやろうと思ってもなかなかできないから。強烈なエネルギーと表現する技術が必要だからだ。

次ページだが、これまでを踏襲しているだけではなかった
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