清原果耶にヘヴィな役柄がこんなにも似合う理由 圧巻の最優秀助演女優賞、主演受賞も遠くない

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3月15日(火)に最終回を迎えるTBS火曜ドラマ「ファイトソング」でも強烈なエネルギーと表現力で演じている(東洋経済オンライン編集部撮影)

清原果耶が映画『護られなかった者たちへ』(瀬々敬久監督)で第45回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞したことはナットクである。

『護られなかった〜』の清原は仙台で生活保護のケースワーカーをやっている円山幹子を演じた。原作小説では男性だった役を映画では女性に置き換えている。でもこの改変は作品を華やかにするため、あるいは女性客に親しみをもたらすためというような考えで行われたようには思えなかった。

清原はこの重要な人物の役割を過不足なく演じて圧巻だった。唯一ナットクできないことがあるとすれば、清原には最優秀助演女優賞ではなく最優秀主演女優賞を獲る映画に早く出てほしいということであるが、清原ならばさほど遠くない将来に叶うであろうと想像する。

2021年「おかえりモネ」のヒロインを演じた

今年(2022年)1月に20歳になったばかりの清原果耶は、『護られなかった〜』が公開された2021年、“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おかえりモネ」(NHK 2021年度前期)のヒロインを演じた。デビュー間もない頃、朝ドラ「あさが来た」(2015年度後期)に出演し注目され、その後、再び朝ドラ「なつぞら」(2019年度前期)に出演、そのときはヒロイン(広瀬すず)の妹役を演じて、それも高評価で、朝ドラファンから朝ドラヒロインを待ち望まれた末の「モネ」。奇しくも『護られなかった〜』と同じ宮城県を舞台にした、東日本大震災を経て今を生きる者たちの物語だった。

「おかえりモネ」のヒロイン・百音(ももね 愛称がモネ)は、震災当日、地元を離れていたことで、愛する地元の危機に「何もできなかった」と後悔の念に苛まれながら何年も過ごす。震災前は明るく活発だった百音はすっかり物静かになり自分の人生に迷い続ける。じょじょに希望が見えてくるとはいえ、朝ドラのヒロインは明るく元気という先入観を覆す役柄に戸惑う視聴者も少なくなかった。その一方で、ひじょうに現代性のある設定だと強く支持する声もあがった。

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