運賃値上げ議論が本格化、「JR・私鉄」交錯する思惑 オフピーク定期券、届出制、有事への備え…

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私鉄については日本民営鉄道協会(民鉄協)が各社の意見を集約して発表した。上限運賃認可制は「需要動向や利用者ニーズに応じた価格の設定や機動的な実施が難しい」として、運賃設定を「届出などの簡便な手続き」でできるよう要望した。時間帯、曜日、季節など需要や営業施策に応じた運賃設定を可能とすることも求めている。

また、「原価の算定方式が経費削減圧力となり、利用者利便の維持・向上に必要な設備投資などの中長期的な施策の判断が難しい」として、原価算定方式の見直しを求めた。さらに、感染症の影響に伴う大幅な減収、大規模自然災害に伴う復旧費用など「有事に備えた資金について平時の運賃等に上乗せした留保を可能とする」検討も求めた。

地下鉄と路面電車の雄は独自の要望

民鉄協のメンバーである東京メトロと広島電鉄が個別にヒアリングに応じている。東京メトロは輸送人員がJR東日本に次ぐ国内2位であり、広島電鉄は地方鉄道の代表ということで選ばれたという。

東京メトロはホームドアやエレベーター設置などバリアフリー対策を積極的に進めているが、「これらの施策が適切なコストとして十分に反映されていない」ことを課題の筆頭に挙げ、「事業者のインセンティブを削がないような運賃制度」を要望した。

国は駅のバリアフリーに必要な費用を運賃に上乗せできる新たな制度を昨年末に創設したが、こうした費用を加算運賃ではなく、運賃原価に反映できるよう運賃制度そのものの見直しを求めているのだ。また、「東京メトロと地方の地下鉄事業者では置かれた状況が異なる」として、グルーピングのあり方についても検討を求めた。

広島電鉄の要望も特筆すべきものだった。同社は広島市内では路面電車を運営するが、路面電車は営業面でバス会社と競合する反面、鉄道と同様の運賃制度が適用され、路線バスのような「協議運賃」の制度はない。そのため、定期券の割引率などが路面電車と路線バスでは異なるという。こうした状況を踏まえ、「路面電車とバスを一体的に考えた路線網・運賃・サービスが必要」としている。

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