「今が最も価値が高い」即売却すべき物件の特徴 「無価値化・マイナス価値化不動産」は即売り

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経済合理性の観点からのみ言えば、団塊世代を中心とした世代が一斉に入居した都市郊外ベッドタウンなどで、駅徒歩10分を超えるものは、たった今が最も価値が高く、後は時間の経過とともに減価していくのみ。地域や立地ごとに、年率マイナス2%なのかマイナス4%なのか、下落率の違いがあるだけです。年率マイナス4%を15年続けるとおよそ半値となる計算です。

知っておいていただきたいのは、すでに実家を相続した子ども世代が苦労していること。

実家を相続しても「1. 相続争いが起きる」「2. 思い出が残っている」「3. 売ろうにも売れない」などさまざまな理由で不動産の処分に困っているケースは思いのほか多いものです。

特に「1. 相続争いが起きる」のケースでは、不動産や現金・株式などの配分を巡って折り合いがつかず、結局実家を空き家のまま放置し、建物が傷み商品価値を下げるうえ、時間の経過とともに価格を下げると言ったスパイラルに陥ります。一番いいのは親世代が事前に、実家をはじめとする財産の処分方法を遺言などで残しておくことです。

ダラダラ下落する不動産も早めに売却

中位70%の「ダラダラ下落する不動産」も、時間の経過とともにその価値は下落していくわけですし、建物が空き家の場合、そのままにしておくとどんどん傷み、ますます売る・貸すなどの処分が難しくなりますので、できれば1秒でも早く売却したほうがいいのです。

のんびりしていると周辺にどんどん空き家のライバルが増え、ますます処分できないというスパイラルに。将来、そこに自分たちや親族の誰かが住むといった予定でもない限りは、早めの処分をおすすめします。

とはいっても「相続でもめる」「思い出が残っている」といった感情的・情緒的理由が多分に含まれるのが不動産だという側面はよく理解しながら、あくまで経済合理性にのみフォーカスしてお伝えしていますことをご了承ください。

売ったり貸したりせずそのままにしておく場合でも「管理」は適切にしておく必要があります。「雑草の刈り取り」「ポスト周りなどの整理」「換気」「建物不具合の発見と対応」など。休日のたびに時間を割いてこうしたことを行うのが負担に感じる場合には、エリア内に「空き家管理サービス」を提供する事業者があれば、月々5000円~1万円程度で管理を依頼できます。

その場合でも固定資産税は当然支払う義務がありますし、建物に不具合があれば修繕費用がかかります。それでも空き家は、不法侵入によるいたずらや放火など、犯罪の温床になりうることに留意です。

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