前日のbZ4X プロトタイプでも感じたように、BEVという重量のある車ならではの重ったるさやドッシリ感、ズッシリ感を感じることはない。さらに言えば、ソルテラ プロトタイプはスッキリ感を強く感じる。
パワーステアリングのセッティングも、bZ4X プロトタイプに比べてソフトに感じ、一方でサスペンションの味付けもbZ4X プロトタイプに比べて“引き締まっている”印象があった。
走行速度は最高でも時速60km程度で、コーナーリングスピードは道幅が狭いことから時速20~30kmだ。しかし、日常ドライブをイメージして走った袖ヶ浦フォレストレースでのbZ4X プロトタイプの動きと比べて、スバルとトヨタのはっきりとした違いを感じることができた。
ドライブモードにはbZ4X プロトタイプには設定のないSPORTモードがあり、減速感がパドルシフトによって4段階に変化。走りのバランスが適宜変わり、Sペダルドライブによる回生ブレーキの利きによって、単に“速く走るため”ではなく、クルマの動きをさらに読み取りやすくした「人とクルマとの一体感」が増すモードであることがわかる。
雪国のクルマとして、「生活4駆」という言葉が用いられることが多いスバル。ソルテラ プロトタイプもまさに、生活4駆として使いやすいクルマだと感じた。
「あくまでもスバル」であること
bZ4Xとクルマとしての母体は同じでも、クルマの商品性はかなり違う印象であることが確認できたが、試乗後さらにパワートレーン、走り、ボディ、シャシーなどについて知るため、開発担当者と意見交換した。彼らは、あえてbZ4Xのセッティングについて触れていなかったが、ソルテラは「あくまでもスバルとしての走りにこだわった」と強調していた。
サーキットコースでの試乗のほか、登坂斜面を模擬した代用路面で、X-MODEによるグリップコントロールの体験もできた。
グリップコントロールは、時速2~10kmの5つの速度にセットでき、セットした速度でアクセルコントロールを自動で行う悪路走行用の装置だ。実際にこのモードで斜面を走ってみると、路面変化によって駆動力が制御される様子がしっかり体感できた。
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