松井一郎「大阪流の少子化対策、全国でやるべし」 維新の会代表・大阪市長が見る大阪の今と未来

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松井一郎(まつい・いちろう)/日本維新の会代表・大阪市長。1964年生まれ。大阪府出身。1986年福岡工業大学卒。2003年大阪府議会議員。2011年大阪府知事(第18代)、2015年大阪府知事(第19代)を経て2019年4月から大阪市長(第21代)。日本維新の会(旧おおさか維新の会)代表は2015年12月から務める(撮影:ヒラオカスタジオ)

塩田:2018年に2025年大阪・関西万博の誘致が決まりました。「健康と長寿」がモチーフの万博決定後にコロナとぶつかりましたが、万博の位置づけに変化はありませんか。

松井:テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですから、まさに感染症に負けない、高齢化も克服できる技術を生み出す万博にしたい。参加を望む民間のパビリオンも、予想以上のオファーがありました。大阪、関西の企業のみならず、万博を活用しながら新しいイノベーションを、という前向きな姿勢が表れていると思っています。コロナがあったからこそ、命に向き合い、命を守り、感染症を克服して充実した人生を送れるように、逆にピンチをチャンスととらえようという気運が盛り上がってきていると受け止めています。

開催の主体は国ですから、外国との協議は、経済産業省が中心となって万博協会と組んで、オンラインなどを活用しながらやっています。各国とも大阪万博に対する関心は非常に高いという手応えを感じています。

大阪市の財政状況は非常に順調

塩田:開催地の自治体として、インフラ整備などの準備の状況は。

松井:会場が大阪市内ですから、インフラ整備は大阪市が中心となって基本設計から実施設計に入っていくところですが、順調に進んでいます。最も重要なのは、財源の裏づけです。実は今、長期の財政シミュレーションをやっていますが、大阪市は5年先くらいには地方交付税交付金の不交付団体となるという展望が見えてきました。財政状況は非常に順調です。インフラ整備などは遅れることはないと思っています。

塩田:万博開幕のときに外国からの訪問者数が大きく回復した場合、会場への輸送体制を心配する声もあります。

松井:3年後ですから、情報通信やデジタルの技術がさらにスピード感をもって進化するでしょう。2025年の万博は予約制で、AIを駆使して人の流れをコントロールし、来場者にストレスを感じさせない会場運営を行いたいと思っています。

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