いじめを受けた「発達障害」の彼女が語る薬の闇 「薬を飲むだけでは生きやすくならない」

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「もともとコミュニケーションを取るのが苦手で、対面だと上手く話せません。それでも必死に何度も何度も(いじめの被害を)訴え続けましたが、先生には信じてもらえませんでした」

結局、加藤さんが学校に行かなくなり、いじめは解決しないまま小学校を卒業した。

「何で薬が必要なんだろう」

加藤さんが向精神薬を飲み始めたのは、12~13歳のころだ。眠れないことやイライラすることから、睡眠導入剤を飲み始めた。いじめに遭ったことで対人恐怖に陥り、ほかにも不眠やうつ症状が出ていた。

加藤さんのお薬手帳の履歴を見ると、うつ病の薬である「レクサプロ錠」やADHD(注意欠陥・多動障害)向けの「インチュニブ」、統合失調症薬の「エビリファイ」「リスペリドン」と、さまざまな種類の向精神薬が並ぶ。

加藤さんのお薬手帳の一部。いくつもの向精神薬が並ぶ(写真:本人提供)

加藤さんは中学3年生の頃、「何で薬が必要なんだろう」と思うようになったという。薬を飲んでも眠れないようになり、朝まで薬が残っているために翌日の昼頃まで強いだるさを感じるようになったからだ。

「診察時間が2分くらいなのに、私の何をわかって薬を出しているんだと疑問を持つようになりました」

睡眠薬による眠気で、学校に行っても保健室で寝ることが増えた。「薬を飲みたくない」と愚痴ったときに養護教諭から言われたのが、冒頭の「発達障害の子は薬を飲んだほうが生きやすくなる」という言葉だった。

20歳を超えた今でも、薬の種類や量は増えている。これまで摂食障害と自傷行為で、精神科病院に3度入院した。その後も、薬の量を減らしたくても減らせない。

「飲むのを勝手にやめたときもありましたが、主治医に『自分で服薬の管理ができないなら、入院して薬を飲む習慣をつけることになる』と言われました。入院はもう嫌だから、また飲むしかありません」

発達障害は一般的に、発達障害(一次障害)に対する周囲の無理解が本人の自己肯定感を低め、加藤さんのような対人恐怖やうつといった「二次障害」を引き起こすといわれている。しかし、「二次障害は薬では解決しない」と加藤さんは言い切る。

「いじめを見て見ぬふりをする。無理やり教室に連れて行き集団に入れる。こうした薬を使わなければいけなくなるほどの状態にさせた環境を変えなければ、二次障害は防げないと思います」

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