介護にお金を出さないのが「親不孝」ではない訳 何年続くかわからぬ介護は「親のお金で」が鉄則

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太田:子どもの役割は、親のお金が正しく使われるように、マネジメントをするということなんですよ。

安藤:親のお金が正しく使われる……。うーん、イメージが。

太田:よく、私がお話ししているのは、「3つのない」ではうまくいかないということです。

まず1つ目は、どの(誰の)お金で介護をするのか計画をしていない。これは、先ほどお伝えした通り、介護は親のお金を使うということを基本ルールとしてください。

2つ目は、どんなお金がかかるのかを知らない。介護サービスの費用やそれ以外にどんな費用がかかるのか、施設へ入居することになれば、その負担がどのくらいになるのかを知ることです。こういった情報を整理していくのは、子どものほうが得意なのではないでしょうか。

安藤:確かに! 情報収集したり、整理したりは子どものほうが絶対向いていますよね。

太田:3つ目は、介護費用を軽減するための制度を知らない。

安藤:軽減するための制度。それは重要ですね。

太田:たとえば、医療費や介護費には所得によって、自己負担上限額が決まっていて、その負担上限額を超える分については、公的制度で取り戻すことができます。取り戻すには、手続きが必要な場合もあるので、制度があることを知らないままでいると、その機会を逃してしまいます。こういった情報を子どもが理解しておいて、代わりに手続きをしてあげるなども子どもができる重要な役割になります。

大事なのは「いくらまでかけられるか」

安藤:どんなお金がかかるかを知るために、介護にかかる費用の目安などがあれば知りたいのですが、そういった金額ってわかるものですか?

太田:そうですね。よく介護にかかる費用として登場するのは、生命保険文化センターの調査結果です。1カ月にかかる費用の平均は7万8000円で、在宅介護の場合は4万8000円。施設介護では12万2000円です。

安藤:施設だと在宅の2倍以上なんですね~。やっぱり施設はお金がかかるということでしょうか?

太田:そう思う方がほとんどだと思います。ですが、この費用はあくまでも参考程度と考えてください。その理由は、施設の費用は、家賃にあたる費用も含まれているので在宅介護より費用が増えるのは当然です。たとえばという話になりますが、賃貸物件で家賃を支払いながら、在宅介護サービスの利用をしていた親が、施設へ入居したらどうなるでしょう。特養だとすれば入居するほうが安くなるケースもあります。その人が置かれている状況にもよるので、一概に高い安いとはいえません。

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