日本の医者 中井久夫 著

日本の医者 中井久夫 著

医学界に対する厳しく温かい分析、批判、提言を続けてきた著者が1960年代に発表し、「幻の名著」とも呼ばれてきた3作を復刻したものである。「日本の医者」「抵抗的医師とは何か」「病気と人間」の3部からなり、医学界の現状(当時の状況というべきだが)、医者としていかに生きるべきか、どう行動すべきか、そして病気とは何か、医療とは何か、等々が懇切丁寧に述べられている。

医療技術は劇的な進歩を遂げ、医療制度には修復が難しいほどのほころびが生じているとはいえ、医療の現場が抱える問題点は基本的に変わっていないといって差し支えない。であればこそ半世紀前に投じられた問題提起と提言が、今なお重要な意味を持って迫ってくるわけで、ここから本質的で新たな議論が広がることを期待したい。平易で読みやすいが、さすがに時の流れを感じさせられる記述も散見される。著者の解説に加え第三者による解題があればなお良かった。(純)

日本評論社 2100円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ブックス・レビュー
  • ルポ「ホームレス」
  • コロナショックの大波紋
  • コロナショック、企業の針路
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
テレワーク総点検<br>コロナで広がる働き方格差

緊急事態宣言下で当たり前になった「テレワーク」。業種や職種によって実現度合いに大差がつき、この数週間で働き方の格差が広がったといえるでしょう。在宅勤務の課題を総点検し、コロナ後の働き方を考察しました。