米国の10月の失業率は「5.8%」に改善 ようやくリーマンショック以前の水準に
[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した10月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が21万4000人増えた。失業率は2008年7月以来、約6年ぶり低水準の5.8%まで下がった。世界需要が鈍化する中、米経済の底力を示す内容となった。
ただ、賃金の伸びは引き続き弱く、連邦準備理事会(FRB)は利上げ開始を急がないとみられている。
8・9月分の雇用者数は、前回発表より計3万1000人多く修正された。
10月分の市場予想は、非農業部門の雇用者数が23万1000人増、失業率は前月と同じ5.9%を見込んでいた。
雇用増は9カ月連続で20万人を超えた。1994年以来最長で、経済成長加速に追い風だ。失業率も1月以来0.8%ポイント低下。さらに10月は雇用拡大の裾野が広かったことが確認された。
CEB(バージニア州)のマネジング・ディレクター、マイケル・グリフィン氏は、「世界経済に暗雲が立ち込めつつあるなか、米経済は健全であることが確認された」と指摘。
バークレイズ(ニューヨーク州)のシニアエコノミスト、マイケル・ガペン氏は、「労働市場の改善が続いていることで、FRBは金融政策の正常化を継続するだろう。ただ賃金上昇とインフレ圧力がそれほど大きくないため、FRBは辛抱強く待ち続けると見ている」と述べた。
インフレが依然として低水準にあり、堅調な雇用増だけでは、FRBが来年下期までに利上げを行う材料として不十分とみられる。
時間当たり賃金は0.03ドル増加、年間の伸びは2%と過去数年のレンジ内にとどまった。
労働参加率は0.1%ポイント上昇して62.8%。
人口に対する雇用比率が59.2と、2009年7月以来の高水準となった。長期失業者数は、2009年1月以来の低水準だ。
本人の意に反して職探しをあきらめた人や、正規雇用を望みながらパートタイムで働く人を含めたU6失業率は11.5%と、2008年9月以来の低水準に下がった。
雇用増は引き続き幅広い部門で見られ、製造業が2カ月連続で伸びた。
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