37万人の購入者調査で見えた「中古車市場」の今 新車市場と異なる年代/年収/用途が浮き彫りに

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中古車の販売価格は、中古車情報サイトなどを見れば知ることができるが、実際の購入金額がどのように推移しているかの全体像はなかなか掴めない。そこで、「値引き前車両価格+オプション価格」を購入年別にまとめたデータを出してみた。

結果は、興味深い内容となっている。購入価格は、明確に右肩上がりだ。

2021年の中古車の購入価格(平均値)は144万円で、5年前の2016年(121万円)から20%程度も上昇している。手の届きやすい価格で車を購入したいがために中古車を選択している人々がいることを考えると、これだけの金額上昇は家計に影響を及ぼしているだろう。

続いて購入者の「性別・年代構成」を見ていく。男女比では、新車=男性59%:女性41%に対し、中古車=男性63%:女性37%と、中古車は男性がやや多い。

中古車購入者の年齢や年収は?

年代構成を見てみると、30代以下の占める割合は新車=29%、中古車=38%、40代以下では新車=48%、中古車=58%と中古車のほうが若い購入者が多い。

「ほしい車がすでに終売となっており中古車しかないから」「旧車が好きだから」といった理由で中古車を買う人ももちろんいるが、中古車購入者の大部分は支払い価格の面で中古車を選択しているだろう。そのため、まだ余剰資金の十分ではない20~30代の割合が多いと考えられる。

「世帯年収」についても見てみよう。

 

400万円未満の割合は、新車=21%、中古車=30%。500万円未満は新車=33%、中古車=45%、600万円未満まで広げると、新車=46%、中古車=58%となっており、先程の年代構成とも連動する形で、中古車購入者のほうが世帯年収は低めだ。

「支払い方法」にも違いはあるのだろうか。

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