露骨になってきた、「公的相場操縦」の行方

日経平均株価は2万円以上が確実に?

GPIFと日銀を使って、政府は、相場操縦にどれだけのカネを用意したか。国内株では先ずGPIFは現状の大よそ18%くらいの組み入れから、新しい基本ポートフォリオの25%まで、7%くらいは買うことができる。基本ポートフォリオは国内株式に±9%もの許容乖離幅を設定しているが、さすがに、いきなりこの領域まで買い増しては来ないだろう。

日経平均は年度末に2万円以上が確実!?

GPIFの「1%」は、単純計算で1兆3000億円だが、他のGPIFの影響を受ける資金の運用(厚生年金基金や共済)も合わせると、内輪に見ても1兆5000億円程度のインパクトはある。これだけで、1兆5000億円×7%分=10.5兆円だ。

加えて、日銀は、ETFを年間3兆円買う措置を発表したので、合わせて13.5兆円が買い方のタネ銭である。当面、逆らう気は起こりにくい。内外から「ちょうちん買い」も湧き出てこよう。

経験的に、公的年金は前日が安かった日の翌日に買ったり、日々の値動きの下げ幅を縮小したりするような買い方をするが、「悪材料さえなければ」、3兆円もあれば、地味に買っても日経平均を1000円は上げられよう(山勘=山崎の勘によるものです。悪しからず!)。

つまり、これだけで、日経平均は2万1000円〜2万2000円くらいまでは期待できそうだ。 加えて、GPIFの外貨の買い入れ予定金額は、外株と外債を合わせると国内株式の買い増し予定額を数兆円上回る。為替市場は懐が大きいし、ローカル市場・日本の株価ほど一筋縄で考えにくいが、115円から120円の範囲の円安状況を作る可能性は大いにある。

円安チャネルからの株価引き上げ効果もあるだろう。株価連動内閣と言われて久しい安倍内閣の「運」と「心掛け」が悪くなければ、今年の年末に2万円、年度末である来年の3月末にうまく行くと2万5000円くらいの株価があっておかしくない。

では、現時点で可能性が見えている悪材料は何か?

最大のものは、消費税率の再引き上げ決定だろう。デフレ脱却を失敗させないためには、1年半くらい延期するほうがいい。しかし、官僚集団の圧力を前にして、たかだか政治家にすぎない安倍首相以下の現内閣が先送りを決断出来るようには思えない(期待はしたいが、確率は小さかろう)。

消費税率を予定通り10%に引き上げる場合の公的株価操縦の行き先は、先の予想の年末で1割減(1万8000円)、年度末で2割減(2万円)くらいになるのではないか。

もちろん、海外の要因もある。海外要因に関しては、米国の中間選挙の評価なども踏まえて、来週の本欄にご登場予定の、「かんべえ」吉崎先生の情報と知恵に満ちたご教示を、読者と共に待ちたい。

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