太田:卒業してからこそ、当時のありがたさを心から実感したな、とは思います。
経沢:確かにそうですね。リクルートの人はみんなコミュニケーション能力も高いし、仕事のスキルも高い。ですが私がいちばん身についたと思うのは、仕事の「基礎体力」。1日何時間働いても大丈夫!みたいな。初期の運動量って、のちのちの筋肉になります。
太田:走ろうと思っても、基本の筋肉や、体幹が鍛えられていないと続かないですものね。
経沢:結局、人って能力の差はあまりないけれど、仕事に対する意識の差は大きくあると思っています。たとえば、高いクオリティで仕事をしようとか、目標を絶対に達成しようとか。決めたことは絶対やろうっていう意識。リクルート出身で人材コンサルタント、評論家の常見陽平君が「ヤンキー魂」って言っていたけれど、理想論を忘れないところが好きなんです。
世の中の人は理想と現実は違うと言うけれど、私は理想を追って生きていきたい。「努力しても仕方ない」って言う人がいたら、もちろんそうかもしれないけど、せっかく生まれてきたのに、なんで妥協するの?って思います。理想を追いかける、青臭いところが好きです。
決断する“クセ”をつけよう
太田:起業を迷っている女性がいたら、どんな言葉をかけますか?
経沢:「迷っているならやってみたら?」と。ちょっと起業してみて、「こういうところが自分に足りないから、やっぱり組織で頑張ろうと思った」でもいいし、それも経験にすればいい。失敗しても何も恥ずかしいことではないです。今はおカネもかからないし、環境はいいですよね。
太田:私も起業して、その後再び組織に入った経験があるので、キャリアはワンウェイじゃないと思っています。
経沢:キャリアは自分でコーディネートすればいいと思います。周りの目を気にしないことですね。悩んでしまうのは、結局その人が「決めない」からだと思います。まずは小さなことでも決めて進んでいけばいいと思います。
太田:「決める」というのを、難しいと感じる人もいますね。
経沢:そうですね、でも決められますよ。洋服は自分で決められるし、今日食べるものも自分で決めている。小さなことから決断力を上げていけばいい。決められないときはルールを決める。「迷ったらやめる」でもいいし、「1カ月は別のことに専念して1カ月後に決めよう」とか。とにかく前に進めばいい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら