スパっと決められる女子こそ、皆に好かれる
経沢香保子・カラーズ社長の仕事感(上)

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太田:卒業してからこそ、当時のありがたさを心から実感したな、とは思います。

経沢香保子(つねざわ・かほこ)●トレンダーズファウンダー。リクルートに入社後、 楽天で楽天大学など様々な新規事業を成功させ、 2000年26歳でトレンダーズを創業。女性起業塾を創設し、 2000名以上の起業家を輩出。2012年東証マザーズに上場。 当時、女性社長として最年少。 現在はカラーズ代表取締役として女性がカラフルに輝く社会に貢献する会社を運営。 プライベートでは3回の出産を経験し1男1女の母。

経沢:確かにそうですね。リクルートの人はみんなコミュニケーション能力も高いし、仕事のスキルも高い。ですが私がいちばん身についたと思うのは、仕事の「基礎体力」。1日何時間働いても大丈夫!みたいな。初期の運動量って、のちのちの筋肉になります。

太田:走ろうと思っても、基本の筋肉や、体幹が鍛えられていないと続かないですものね。

経沢:結局、人って能力の差はあまりないけれど、仕事に対する意識の差は大きくあると思っています。たとえば、高いクオリティで仕事をしようとか、目標を絶対に達成しようとか。決めたことは絶対やろうっていう意識。リクルート出身で人材コンサルタント、評論家の常見陽平君が「ヤンキー魂」って言っていたけれど、理想論を忘れないところが好きなんです。

世の中の人は理想と現実は違うと言うけれど、私は理想を追って生きていきたい。「努力しても仕方ない」って言う人がいたら、もちろんそうかもしれないけど、せっかく生まれてきたのに、なんで妥協するの?って思います。理想を追いかける、青臭いところが好きです。

決断する“クセ”をつけよう

太田:起業を迷っている女性がいたら、どんな言葉をかけますか?

経沢:「迷っているならやってみたら?」と。ちょっと起業してみて、「こういうところが自分に足りないから、やっぱり組織で頑張ろうと思った」でもいいし、それも経験にすればいい。失敗しても何も恥ずかしいことではないです。今はおカネもかからないし、環境はいいですよね。

太田:私も起業して、その後再び組織に入った経験があるので、キャリアはワンウェイじゃないと思っています。

経沢:キャリアは自分でコーディネートすればいいと思います。周りの目を気にしないことですね。悩んでしまうのは、結局その人が「決めない」からだと思います。まずは小さなことでも決めて進んでいけばいいと思います。

太田:「決める」というのを、難しいと感じる人もいますね。

経沢:そうですね、でも決められますよ。洋服は自分で決められるし、今日食べるものも自分で決めている。小さなことから決断力を上げていけばいい。決められないときはルールを決める。「迷ったらやめる」でもいいし、「1カ月は別のことに専念して1カ月後に決めよう」とか。とにかく前に進めばいい。

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