その点では、セブン&アイはコンビニという高収益事業を主軸にしながらも、さらに高収益の金融事業も並行して拡大するという手堅い戦略をとって成功していると言えます。
ですから、おそらくイオンは、コンビニ事業をもっと腰をすえて取り組まなかったことを今となっては非常に悔いているのではないでしょうか。金融事業は、本業の事業規模がある程度大きくなれば、すぐにでも始められる事業ですが、コンビニ事業は買収でもしない限り、今すぐに始めることはできません。イオンは、ローソンやファミリーマートなどのコンビニを、喉から手が出るほど欲しがっていると思います。
イオンはダイエーを再建できるのか?
イオンがダイエーを完全子会社化してコントロールを握れば、ダイエーは復活できるのでしょうか。イオン自体は赤字ではありませんから、その戦略によっては、今より利益を稼ぐことはできるのではないかと思います。
近年、ダイエーの店舗に足を運びますと、照明が暗く、店内もどこか古くなってきている印象があります。利益を稼げなくなっていますから、改装資金が捻出できない状況が続いているのかもしれませんね。
これは、経営という点では大きな問題です。来客の視点で考えますと、お店がきれいかどうか、入りやすいかどうかといったお客さまからの「見え方」は重要です。内装が古かったり、暗かったりしますと、お客さまは徐々に足を運ばなくなります。また、そこで働く人の士気も落ちるでしょうし、仕入れ先も「この店では商品が売れないだろう」と考えて、積極的に品物を卸さなくなります。
このような要因が積み重なって、収益が悪化するという悪循環に陥っていたと考えられます。そこで、イオンとしては、完全にコントロールすることで店舗を一新したり、リストラを行うことで再起を図ろうとしているのでしょう。
ただ、先ほども説明しましたように、スーパーマーケットは利益率が非常に低い事業です。この事業自体が、もはや時代遅れになりつつある感が否めません。食品や生活用品の需要がなくなることはありませんから、スーパーマーケットがなくなることはないでしょうが、これだけ低収益ですと、維持するのが大変です。新しい事業形態も必要になるでしょう。
そこで、イオンはどのようにして、ダイエーだけでなく、スーパーマーケット事業を立て直していくのか。ここがこれからの注目点です。
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