ソニー、スマホ再建に背水の陣 巨額損失の計上で上期は最終大赤字
しかし、夏場以降、想定外に収益環境が悪化したのがスマホだった。特に中国で小米(シャオミ)など現地の格安スマホメーカーが台頭し、ソニーのスマホ需要を侵食。「(モバイルの)中国については大幅縮小する方針」「(今通期のスマホ販売台数で)下方修正した200万台はすべて中国市場」――。決算会見で吉田CFOは中国での苦戦ぶりを明かした。
今中間決算に先立ち、発表されたのがSOMC社長の交代である。現社長の鈴木国正氏は経営不振の責任をとって辞任。新たに11月、社長に就任するのが、吉田の右腕としてソニーの構造改革に腕を振るっている、現業務執行役員の十時裕樹氏である。
託されたスマホ再建
十時氏は入社来、財務畑が長く、ソニー銀行設立を主導して頭角を現わした。その後、吉田が社長を務めたグループ会社ソネットで副社長を務めた経緯がある。
吉田CFOは「(十時氏の)ミッションは、よい商品を出すということもあるが、何より収益を安定化させること。そのためにも追加の構造改革はありうる」と話す。今後のソニー再建のカギは、十時氏による“スマホの構造改革”にかかることになる。
同時に決算発表したパナソニックが、通期の業績見通しを上方修正したのとは対照的に、2期連続の最終赤字と苦戦が目立つソニー。しかし今上期、ソニーは課題のテレビが約11年ぶりに2四半期連続で営業黒字を計上するなど、構造改革の効果も徐々に表れているのも確か。テレビ、パソコンに続く、構造改革の本丸にどうメスを入れるのか――。十時氏の手腕が試されることになる。
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