偶然とは何か その積極的意味 竹内 啓著
「偶然」は不合理であり、避けられないものでもある。そこで人は自分に都合のいい偶然を「幸運」、都合の悪い偶然は「不運」として、その起こりやすさを「確率」で表現する。最近の数学的理論では偶然を「不確実性」という言葉に置き換え、それに伴う損失を「リスク」と呼び、それを処理する「リスクマネジメント」の研究も盛んだ。しかし数理統計学の専門家である著者は「偶然の問題はすべてを確率と期待値で割り切れば解決するのか」と疑問を投げかける。
偶然とは単に必然の否定にすぎないのか。生物の進化や人間の歴史から偶然が持つ積極的な意味を考察し、「本質的偶然」に対し、どう主体的にかかわるべきかを論じる。
岩波新書 756円
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