メルコ・クラウンが「着物」を支援する理由 マカオ最大のカジノが日本でのCSRを強化
10月25日から11月3日まで東京・青山外苑で行われている「東京デザイナーズウィーク2014」。今回で29年目を迎える国際的なクリエイティブ関連イベントには、建築、インテリア、プロダクトデザイン、ロボット、グラフィック、アートなど、さまざまな分野のデザインが集まっている。同イベントでは、レクサス、エイブル、CHINTAIなどの企業がクリエーターを支援するプログラムを行っているが、ほとんどが日本の有名企業。異色の存在といえるのがマカオに本拠を置くカジノ運営会社のメルコ・クラウン・エンターテインメント(MCE)だ。
MCEは2014年春、同社は日本における新しいCSR活動として、日本の伝統文化の継承と発展に向けたプロジェクト 「着物×きもの×KIMONO」を発表。若いデザイナーを対象に、着物の生地を素材に用いたデザインを公募したところ、1000以上の作品が集まった。この中から優秀作品を表彰し、最優秀者にはJunko Koshino社でのインターンシップ、rooms30でのスペシャルブース出展などのチャンスが与えられた。
プログラム責任者であるMCE副社長(人材/CSR担当)の ケリー・アキコ・タカハシ氏に、狙いを聞いた。
日本が誇る「着物」は、岐路に立っている
―― 「着物×きもの×KIMONO」の狙いは?
過去からの遺産を守ると同時に、創造性をもって未来に向かって発展するように支援していく、というのが私たちの考えです。
着物の生地関連の産業は年々、小さくなってきております。衰退が続く理由は、多くの人が和装をしなくなっているからです。着物の生地のすばらしさを知らない人が増えていくのは、本当に残念です。
着物という日本文化は今、コーナーストーン(岐路)に立っていると思います。日本の基盤になる文化でもある着物が失われていくのを見過ごすわけにはいきません。私たちは、着物の重要性を学びました。ですから、未来に向けて着物を残していくことに貢献したいのです。デザイナーとクリエーターが着物の生地から何かを作り出していく。伝統的な使い方ではなくモダンな使い方をすることによって、日本文化を保持できると考えています。
2番目として、MCEは若い人たちの創造性と革新を育てていきたい。基盤となる旗印は、DARE TO DREAM(あえて夢を見る、不可能を可能にする)です。これは難しいことにもチャレンジしていくことです。
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