マクドナルド、労使でかみ合わない言い分 「キャリア支援制度」という名の退職勧奨?

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13年8月、日本マクドナルドのトップ交代を発表。会見した原田氏とカサノバ氏(撮影:梅谷秀司)

会社が置かれた状況は厳しい。7月に発覚した中国の仕入先での期限切れ鶏肉使用を受けて客数が減少。10月7日に緊急会見を行い、2014年12月期は大赤字に転落することを発表した。だが、”チキンショック”が起きる前から業績は低迷していた。

あるOBは「外資系の会社で(退職勧奨は)当たり前」と話す。マクドナルドの採用サイトにはCEOメッセージとして「マクドナルドはピープルビジネスです」と記されているが、「『ピープルビジネス』は業績がよかったときのこと。ビジネスをしているのだから、業績を良くするためにはもっとリストラが必要」(前出のOB)というシビアな見方もある。

原田泳幸時代の”功罪”

厳しいリストラは以前からあった。原田泳幸氏がトップに就任した04年、「就任からほどなくリストラをした」(元幹部)。関係者によれば、当時は藤田田(でん)時代の幹部一掃を狙っていたようだ。

その後も、「定期的にやっていた。もう季節の恒例行事という感じだった」と、あるOBは振り返る。業績が過去最高を更新する一方で、既存店売上高の伸びが鈍化してきた10年頃には、「真っ先に部長や執行役員など高給取りが、スッと消えていった」(当時を知る関係者)。

対象は幹部だけではなく、現場の社員にも影響が及んだ。OBや現役社員の話を組み合わせると、マクドナルドの人事評価は4段階あり、上から2番目という平均的な評価を得ている人の中でダーゲットを決めて、一気に評価を一番下にするというもの。急な変更には自主的な退職を促す狙いがあったとされる。また、原田社長時代に外部登用人材を増やす中、現場出身のたたき上げが会社を去ったことで、「圧倒的に強い現場力」(元執行役員)が失われたと見る向きは少なくない。

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