マクドナルド、労使でかみ合わない言い分

「キャリア支援制度」という名の退職勧奨?

7月に起きた”チキンショック”が響き、今期は170億円の赤字に転落する見通し(撮影:尾形文繁)

マクドナルドはピープルビジネス――。その創業以来のモットーが揺らいでいる。社内労働組合である日本マクドナルドユニオン(以下、ユニオン)の岡田篤・中央執行委員長は今でも、「引き続き、監視していきたい」と会社に対する警戒感を解いていない。

きっかけは、営業部門に勤める男性社員から寄せられた相談だった。その社員に会社から電話がかかってきたのは今年5月のこと。本社を訪れると「退職条件通知書兼退職同意書」と題されたA4の書類を渡された。紙には退職予定日が書かれており、退職金の金額まで記載されていた。執拗な面談を受けて悩んだ男性が労組に助けを求めてきた。

6月18日に労使緊急会議

同じ時期、似たような複数の相談がユニオンに寄せられていた。岡田委員長は6月、会社に対して「退職勧奨を即刻停止せよ」と改善提案を行う。ユニオンのウェブサイトには「6月18日午前10:00より日本マクドナルド本社で昨今の退職勧奨多発についての緊急労使協議会を行いました」と対外公表されている。抗議の結果、冒頭の男性は退職に至らなかったが、その後も退職勧奨を受けたという相談が夏頃まで寄せられていた。

これについて日本マクドナルドに尋ねると、「社員の成長支援活動の一環として2009年、『キャリア支援制度』を設けた。この制度は退職勧奨ではない。個々の社員の今後の成長を促すもの」(コーポレートリレーション本部)と説明。

だが、ユニオンのサイトには「退職日や退職金の記入された用紙を突きつけられること自体、脅威と感じている。また、決めるまで何回も話し合いを持つと言われ、精神的に追い込まれている」とある。労組が主張するようなキャリア支援制度の行き過ぎた運用実態について、会社側は「そういった例はいっさいない」と全面的に否定。労使の見解は真っ向から対立している。

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